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GUNDAM SEED DESTINY
Kira・Athrun
「アースーラーンー」
間延びした声で名前を呼ぶキラに、またかとアスランは顔をしかめる。
「もう少し待ってろ、キラ」
「もう少しってあとどれぐらい?」
「もう少しだと言ったら、もう少しだ」
全くとアスランが呟けば、途端にキラは拗ねてしまった。おそらく頬を膨らませているだろうキラの姿が、見ていなくても容易く想像できてしまう。
お互いプラントに移住してからすでに4年。その月日は、アスランはプラント最高評議会議長となったラクスの補佐として。キラはオーブ連合首長国代表首長となったカガリの補佐としての月日をもまた示していた。
お互いに立場は変わり、時に強烈な言い合いをすることもあるけれど、恋人であることに変わりはなかった。仕事の時こそはお互いにとって忌々しい存在であるけれど、仕事にプライベートはもちこまい、プライベートに仕事はもちこまないとお互いの立場を思いやってきた結果、時に互いの代表を巻き込む喧嘩にまで発展することも多々あれど、別れることなく過ごしていた。
今日は久しぶりにお互いまともな休日をまとめて取れた初日――。どこかに行こうかと計画を立てることなく、どちらかの自宅でのんびり過ごそうと決めたとはいえ、ただのんびりと過ごしていられるわけではなく。
アスランの自宅で過ごそうと決めたまでは良かったが、ここしばらく忙しさでまともに家事をしていなかった自宅には洗濯物の山が積み上がっていた。それを全て片付けてからのんびり過ごそうとアスランが言えば、不満そうにしながらも渋々キラは頷いた。なにせ、洗濯物は大量の山を築き上げていたのだから。
アスランらしくないねと呟くキラに生返事をしながら、大量の洗濯物と格闘してからすでに2時間。洗濯機が洗濯物を回している間もまた、アスランは薄汚れている自宅の掃除に余念がなかった。
いい加減キラも焦れてきた頃だろうと思っていれば、先ほどから何度となく飽きた頃合いのキラが名前を呼んでくる。ひとりでいることを嫌うキラが、傍にいるとはいえ、ほぼ無視されている形になっているのだから、2時間も大人しくしていたなど奇跡に近い。
これでもキラにしてみれば我慢した方だなと思いつつも、本当に今洗濯機に残った洗濯物を干してしまえば終わりなのだから、もう少しだけ待って欲しいとアスランは思う。
「ほら、終わった」
最後の洗濯物を干し終わり、ひとり居間のソファーに寝ころんでいるキラの元へと向かえば、案の定頬を膨らませてふて腐れていた。
「キーラー」
「アスランなんて知らない」
ばかっと膨れっ面で、キラは顔を背ける。これでもう22歳だというのだから、こぼれそうになるため息をアスランはぐっとこらえる。
オーブ代表として振る舞うときのキラは自信満々に、しかも百戦錬磨の古狸どもを余裕であしらう度量があるというのに、プライベートになってしまうと途端に子どものようになってしまう。恋人である自分に対しての甘えだと分かっていても、流石にもう22歳になるのだからと厳しいことも時には考えてしまう。それでもそれを口にしないのは、キラがいまや唯一甘える相手が自分ひとりだけだと知っているからだ。
かつて甘えていた両親にも、カガリにも、ラクスにも、他の誰にも甘えなくなったキラが、今でも甘え続けているのが自分だ。そう思うと自然恋人であるキラに対しては甘くなってしまう。
「キラ」
甘く、やさしく名前を呼んでやれば、頬を膨らませたままキラは振り返る。じとりと自分を睨み付けてくるキラに苦笑しながら、アスランはソファーの前で膝をつく。
「おいで、キラ」
両手を広げてもう一度名前を呼べば、不満そうにしながらもキラはアスランの腕の中に飛び込む。やさしく抱きしめてやれば、背中に腕を回したキラがぎゅっと抱きつく。
「アスランのばか」
「うん。本当にごめん」
「ケーキ食べたい」
「キラの好きなケーキ屋にこれから行こうか」
「アスランの淹れたカフェオレも」
「うん。ミルクと砂糖たっぷりのやつ作ってやるから」
宥めるようにかわいらしいワガママを聞いてやれば、胸に顔をうずめていたキラは怖ず怖ずとその顔を上げる。
「じゃあ、許してあげる」
唇を尖らせながらもそう言うキラに、くすりと笑いながらアスランはその唇へと口づける。
「アスラン!」
「愛してるよ、キラ」
「……僕も好き」
複雑そうな表情を浮かべながらも、好きだとそう言ってくれるキラへと、アスランはもう一度口づけた。
楽しい休日を