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- PatiPati (Ver 4.4)-






TOWARD THE TERRA
Tony・Jommy











「グラン・パ!」
 それまでぐずっていたトォニィは、パッと笑顔を浮かべる。理由も分からずぐずっていたトォニィを持て余していたカリナは、急にジョミーのことを呼んだかと思えば、笑顔になった息子に戸惑った。
「トォニィ、どうしたの?」
「グラン・パがね、くるの!」
「ジョミーが?」
 えっと思ったその時、カリナにもその気配が分かった。あっと思ったときには、部屋の扉が開いた先にジョミーがいた。
「カリナ?」
 どうしたんだいと、驚いた様子のカリナにジョミーは首を傾げる。
「グラン・パ!」
 カリナの腕の中から抜け出したトォニィは、真っ先にジョミーの腕の中に飛び込む。小さな体を難なく受け止めたジョミーは、久しぶりだねと日だまりのような匂いをさせながら、トォニィの額へと口づけた。
「グラン・パ、だいすき!」
「僕も好きだよ、トォニィ」
 無邪気に親愛を伝えるトォニィに、笑みをこぼしながらジョミーもまた応える。
 ナスカの子どもたち。ジョミーが望み、ジョミーのために生まれた、愛しい子どもたち。その最初の子どもでもあるトォニィを、ジョミーはことのほか可愛がっていた。そしてトォニィもまた、母親であるカリナよりも、ジョミーに懐いていた。
 まるで恋人同士のようと、我が子であるトォニィをジョミーに奪われた形になったカリナは軽く拗ねてみせる。カリナだって、ジョミーのことが大好きなのに、いつだって我が子であるトォニィに奪われて、どちらに対して嫉妬すればいいのか分からなかった。
「もちろんカリナ、君のことも大好きだよ」
「まあ、ジョミーったら」
 頬を染めるカリナに対し、それまで上機嫌だったのが嘘のようにトォニィは頬を膨らませる。
「トォニィ?」
 どうしたんだいとジョミーが顔を覗き込めば、グラン・パなんて知らないとトォニィは顔を背ける。急に機嫌を損ねてしまったトォニィに、ジョミーは困惑するしかなかった。
「トォニィ、どうしちゃったの?」
「だって、だって。グラン・パはぼくのなのに……っ!」
 カリナが穏やかに訊ねれば、悔しげに涙をこぼしながらトォニィは不機嫌になった理由を明かす。それにカリナは、まあと驚く。対するジョミーもまた、驚きに目を瞠る。
「駄目よ、トォニィ。ジョミーはみんなのものなんだから」
 あなたひとりのものではないのよとカリナが言えば、不機嫌さから一転、悲しげに顔を歪める。慌てたのはジョミーだった。
「トォニィ、泣かないでおくれ」
「だって、だって、グラン・パ……っ!」
「僕はトォニィだけのものにはなれないけれど、一番大好きだよ」
「いちばん……?」
「それじゃあ、駄目かい?」
 顔を覗き込みながら訊ねるジョミーに、ふるふるとトォニィは顔を横に振る。
「ほんとうに、いちばん?」
「ああ、一番だ。僕の愛しい子」
 望んで、望んで、そうして生まれた一番最初の子。可愛くないはずがない。
 自然と他の子に対してよりも甘くなってしまうことにリオらに叱られてしまうことも多々あったが、それでもやはり可愛くて。リオに叱られるのは避けたいけれど、それ以上に可愛くて仕方がなかった。
「それがいい」
 それで良いではなく、それが良いと。ぎゅっと抱きついてきたトォニィに、ジョミーもまた腕の中にある小さな体を抱きしめる。
「だいすき、グラン・パ」
「僕もだよ、トォニィ」






僕の、愛しい子